【伊賀】駐車場使用料を違法に徴収するなど、長年にわたって市営住宅を不適切に管理したとして、三重県伊賀市は21日の市議会全員協議会で、地方自治法に基づく「監査要求」を実施すると報告した。建設部の住宅政策課を監査するよう、月内にも市の監査委員に求める。自治体が自ら所管する事務への監査を依頼するのは異例。
市によると、違法に徴収していたのは、河合団地(同市田中)の駐車場使用料。供用を始めた平成17年度から月額2千円を徴収していたが、徴収の根拠となる条例を設けていなかった。
市は5月分以降の徴収を停止し、時効が消滅していない過去5年に徴収した約180万円を入居者らに返還する。6月にも条例を提出し、7月分から徴収を再開する方向で検討している。
市内では、入居者が公営住宅法などで定める許可を得ずに市営住宅を増築し、退去後も放置していることも判明した。2階建ての住居が増築された市営住宅も見つかったという。
このほか、家財を放置したまま退去した住宅があることも判明。退去後も必要な手続きをせず、入居の要件を満たしていない家族などが住み続けているケースも散見されるとしている。
市が本年度に入って調査を進めたことで、これらの問題が判明。担当部署では一定の課題意識を持ちつつ、何らかの理由で長年にわたって不適切な管理が引き継がれていたとみられる。
市は不適切な管理の実態や背景、違法性の有無などを過去にさかのぼって調査するよう、監査委員に求める方針。管理の業務を担当した当時の職員らに対する聞き取りなどを想定している。
稲森稔尚市長は全協後の取材に「第三者に透明性を持って客観的に調査してもらおうと、市長権限で監査要求を決めた」と説明。「長年にわたって続く負の連鎖を断ち切りたい」と述べた。
市は昨年4月時点で289棟、計約1500戸の市営住宅を設け、984世帯が居住している。うち半数以上は昭和40年代以前の建築で、老朽化が進んでいるという。
